[Tag] ミステリ

old ≫

『ハリー・クバート事件』ジョエル・ディケール

読み出したら止まらないと聞き、たっぷり時間をとって読みました。

ハリー・クバート事件 上ハリー・クバート事件 上
(2014/07/30)
ジョエル・ディケール

商品詳細を見る
ハリー・クバート事件 下ハリー・クバート事件 下
(2014/07/30)
ジョエル・ディケール

商品詳細を見る

デビュー作が大ヒットして一躍ベストセラー作家となった新人マーカスは第2作の執筆に行き詰まっていた。そんなとき、頼りにしていた大学の恩師で国民的作家のハリー・クバートが、少女殺害事件の容疑者となる。33年前の失踪した美少女ノラの白骨死体が彼の家の庭から発見されたのだ!マーカスは、師の無実を証明すべく事件について調べはじめる。全欧州で200万部のメガセラーとなった若きスイス人作家ディケールの傑作ミステリ。
(「BOOK」データベースより)


とにかく評判が良くって、これはがっかりする覚悟をしておいたほうがいいなと思ったくらい(笑)
そして実際読んでみてどうだったかというと。
面白かった!!

ミステリなので詳しい感想を書けないのが残念です。
話が二転三転するなんていうのはよくあるけれど、ここまでやるかっていう。作者はもう変態じゃないかと(笑)
読めば読むほど謎が増えていくので、本当にちゃんと終わるのかと不安になりますが、大丈夫です。
読者を驚かすためだけの無理矢理な展開というわけでもなく、意外と丁寧に伏線が張られていたり。
ちなみに章番号がカウントダウンになっているので、メメント方式か?と疑ったけど違った…。

単に事件の真相を解きほぐすだけでなく、師弟間の友情だったり、田舎町の人間関係だったり、作家という職業についてだったり、いろんな要素がつめ込まれています。
それらが事件に関係することもあれば、ないこともある。ごった煮状態のわりにそこまで混乱しないのは、一人一人のキャラが立っているからでしょうか。
どうでもいいような文章がだらだらと続いたりと欠点もあるのですが、不思議と飽きさせないのですよね。
どうでもいい最たるものといえば、マーカス母との会話。笑えるけどとにかくうざい!(笑)

ハリーとマーカスの友情がすごくいいです。深みにはまったマーカスにハリーがかける言葉も、ハリーを必死で救おうとするマーカスの姿も。
そしてハリー以外に友達がいないと言い切っていたマーカスだけど、ガロウッドとは日を増すごとにいいコンビになってきて、最後はほっこりしてしまいました。序盤の仲悪い頃のやり取りも大好き。

読んでいる最中から、映像化に向いていそうだなと思っていましたが、やはり映画化しそうな感じですね。
映画化権はワーナーが取得している模様。ロン・ハワード監督ね…なるほど。
私はクリント・イーストウッド監督はどうかなと思いながら読んでいたんですが。

四六判で上下巻なのでそこそこボリュームがありますが、是非2冊そろえてから一息でどうぞ。

Trackback [0] | Comment [0] | Category [作家別:海外] | 2014.10.23(Thu) PageTop

『パラダイス・ロスト』柳広司

ついに結城中佐の過去が明かされる?!シリーズ第3弾。


パラダイス・ロストパラダイス・ロスト
(2012/03/24)
柳 広司

商品詳細を見る

大日本帝国陸軍内に極秘裏に設立された、スパイ養成学校“D機関”。「死ぬな。殺すな。とらわれるな」―軍隊組織を真っ向から否定する戒律を持つこの機関をたった一人で作り上げた結城中佐の正体を暴こうとする男が現れた。英国タイムズ紙極東特派員アーロン・プライス。だが“魔王”結城は、まるで幽霊のように、一切足跡を残さない。ある日プライスは、ふとした発見から結城の意外な生い立ちを知ることとなる―(『追跡』)。ハワイ沖の豪華客船を舞台にしたシリーズ初の中篇「暗号名ケルベロス」を含む、全5篇。
(「BOOK」データベースより)


3作目にしてちょっとマンネリ化してきた感はあります。それでも話の中に潜むスパイや結城中佐の影を見つけてニマニマしつつ、一気に読み終えました。
記者が結城の過去を探る『追跡』が一番おもしろかったかな。最後の終わり方も清々しくてよかったです。
『誤算』『失楽園』はもう一捻り欲しかった。D機関の人たちの凄さはもう十分わかっているので、ちょっとやそっとじゃ驚かなくなっているんですよね(^^;
『暗号名ケルベロス』は初の中編ということですが…う〜ん、あえて前後編にするほどの内容ではないかも。

前作からもう2年以上経つんですね。シリーズ物なんだけど、前作までの内容を全く覚えていなくても気軽に読めるところがいいです。というか読み終わったそばから忘れていくのはやはりスパイの仕業…。

今やなんでもかんでも実写化されてますが、このシリーズも当然のごとく目をつけられてるんでしょうねぇ。
真っ当なスタッフ・キャストなら観てみたい気もします。全6話くらいで。

Trackback [1] | Comment [4] | Category [作家別:や行] | 2012.07.01(Sun) PageTop

『ソウルケイジ』誉田哲也

ドラマでは今まさに最終回エピソードとして取り上げられている、姫川玲子シリーズ第二弾。

ソウルケイジ (光文社文庫)ソウルケイジ (光文社文庫)
(2009/10/08)
誉田 哲也

商品詳細を見る

多摩川土手に放置された車両から、血塗れの左手首が発見された!近くの工務店のガレージが血の海になっており、手首は工務店の主人のものと判明。死体なき殺人事件として捜査が開始された。遺体はどこに?なぜ手首だけが残されていたのか?姫川玲子ら捜査一課の刑事たちが捜査を進める中、驚くべき事実が次々と浮かび上がる―。シリーズ第二弾。(「BOOK」データベースより)


事件は前作『ストロベリーナイト』よりも凝った構成になっていて、面白かったです。
今回は玲子と同じ十係の主任でありながら犬猿の仲である日下がメイン。緻密かつ客観的な捜査をモットーとしている日下と、勘と直感で突っ走る玲子が対立する構図です。ただ実際は日下は玲子のことを買っているし、玲子が一方的に毛嫌いしているだけだったりするので、玲子の幼稚さが浮き彫りに。かつての暴行犯に似ているという、どうしようもない理由で嫌われている日下は可哀想すぎます…。
いちいち反抗的な態度を取る玲子に対し、日下は大人の対応。やるべき仕事をきっちりやっていて格好いいです。さらに玲子や菊田のことを心配して気に掛けたり、戸部の件を玲子に先をこされたときのちょっと間抜けな反応など、違う一面が見れたのもよかった。

玲子と菊田の関係はあいかわらず理解不能です。お互いに想い合ってはいるけどはっきり口にしてはいない状況と、二人の言動がどうも噛み合わないんですよね。私情を職場に持ち込みすぎているのもどうかと思うし。
姫川班の新メンバー・葉山がここで初登場。葉山パートは事件解決の大きな要となるのですが、葉山の過去のトラウマ話を入れた理由がよくわかりません。なんだか違和感を感じました。前作でも思ったのですが、場面によってコロコロと視点が変わりすぎですね。主観を入れるのは玲子と犯人ともう一人くらいに留めておいた方がいい気がします。

ドラマとの比較を少し。
わりとややこしい内容だからか3週にわたって描かれています。最終話がまだなのではっきりと結論は出せませんが、この話に関しては原作の方が良いかなぁと。(やっぱりどちらを先に読む・観るかによるのかしら…?)
ただし、原作では『ストロベリーナイト』の中にあった玲子と母親とのエピソードをドラマでここに持ってきたのは大正解。なんといっても親から子への愛情というのがテーマですからね。『ソウルケイジ』で語られる父親とのエピソードも良かったので是非入れて欲しいです。

ここからはネタバレ。

» read more...
Trackback [0] | Comment [0] | Category [作家別:は行] | 2012.03.17(Sat) PageTop

『ローレンス・ブロック傑作集〈1〉おかしなことを聞くね』ローレンス・ブロック

ブラックだけどユーモアもたっぷり。

ローレンス・ブロック傑作集〈1〉おかしなことを聞くね (ハヤカワ・ミステリ文庫)ローレンス・ブロック傑作集〈1〉おかしなことを聞くね (ハヤカワ・ミステリ文庫)
(1992/12)
ローレンス ブロック

商品詳細を見る


娯楽小説の名手ローレンス・ブロックの短篇集です。以前にご紹介した〈泥棒バーニイシリーズ〉の短編が収められていると聞いて、読んでみました。
全部で18編、掌編と言えるような短いものもあり、ちょっとした空き時間に読むのに丁度よかったです。
ミステリというにはやや中途半端なのですが、話がおもしろいのでサクサク読めます。ストーリーテラーとして評価が高いのも頷けますね。ほとんどが殺人事件絡みですし、ブラックテイストなものも多いので、人によって好き嫌いは分かれそうですが…。
私は「あいつが死んだら」「おかしなことを聞くね」あたりが面白いと思いました。

バーニイが登場するのは「夜の泥棒のように」です。
主人公はバーニイではなく、ゲスト出演(?)だったのですが、お馴染みのスマートな動作やユーモアに富んだ会話センスににんまりしてしまいました。女性に弱いのも相変わらず。器用なくせに肝心なところでポカをやるバーニイは本当に愛すべきキャラクターです。
その他にもブロック作品で最も有名な〈マット・スカダーシリーズ〉にあたる一編が収録されていました。こちらのシリーズは未読なので、スカダーの人物像がうまく掴みきれなかったのは残念。暗いだろうなぁと思ったらやっぱり暗かったってくらい(^^;

バーニイシリーズの短編は他にもいくつかあるそうなので、追いかけていきたいと思います。


Trackback [0] | Comment [0] | Category [作家別:海外] | 2011.07.19(Tue) PageTop

『青空の卵』坂木司

思いやりと自己満足の境界線って難しい。

青空の卵 (創元推理文庫)青空の卵 (創元推理文庫)
(2006/02/23)
坂木 司

商品詳細を見る


ひきこもり探偵シリーズ三部作の一作目。坂木司さんの代表作ということで読んでみました。ペンネームもこの主人公からとったのですよね。
困っている人を放っておけない性質の坂木と、頭脳明晰で毒舌そして繊細な心を持っている鳥井。彼らが様々な人たちと出会い、少しずつ前進していくお話です。
ジャンルは一応、日常の謎系のミステリなんですが、青春もの(友情もの)と捉えた方がよさそうです。無理のある推理が多いし、謎自体もそれほど興味を惹かれるものではないと思うので。

主人公二人のシーンがどうにも苦手でした。こういうのが好きな人は多いと思うし、あくまで私個人の好みの問題ですけども。
大人になってもいまだに依存し合ってしまっている二人の際どさ、みたいなのを表現したいのだろうと思うのですが、ここまでモラトリアム全開でこられるとなぁ。こんな友情ありえない、とまでは言えないけど、やっぱり相当おかしいですよね。
もちろんわざとそう書いているわけで、塚田と安藤をああいう風に書いたことで予防線は張っていることだし、へんに勘ぐる方が野暮なんだとわかってはいるんですけど。
それでふと思い出したのが『BANANA FISH』。私、あの二人も苦手だったんですよ…。特に英二が。

いきなり批判から入ってしまいましたが、登場人物のキャラクターは悪くないです。
なにより栄三郎さん。彼のおかげで一気に楽しくなりました。滝本&小宮の警官コンビも好きです。鳥井の口の悪さもけっこう好き。坂木がただのお人好しではなく、意外と利己的な一面を見せたりするのも人間くさくていいと思いました。

大人になりきれない葛藤とか、人との繋がりを持つことで得るもの・失うものとか、それこそどういう友情が正しい形なのかとか。答えの出ない問題だとしても、それについて考えることで気づかされることは多いはず。
坂木と鳥井が最終的にどんな関係に落ち着くのか、気になるところです。

Trackback [0] | Comment [0] | Category [作家別:さ行] | 2011.07.14(Thu) PageTop


 プロフィール

[Author:croco]
一言でもコメントいただけると嬉しいです!
記事に関係ないコメントはこちらにつけて頂いても。
…たまにつぶやいてます。

 最近の記事
 カテゴリ
 タグ
 月別
 ブログ内検索
 最近のコメント

日付別/記事別の切り替えopenclose

 最近のトラックバック
 リンク
 ブロとも申請フォーム
 crocoの本棚
 バナーいろいろ
 QRコード
QR
 RSSリンク
 Do you have the time?
http://www.pecope.com