[Tag] ミステリ

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『人形遣いの影盗み』三木笙子

あいかわらず気乗りしない和製ホームズとは裏腹に、周囲の期待は鰻登りのようです。

人形遣いの影盗み (ミステリ・フロンティア)人形遣いの影盗み (ミステリ・フロンティア)
(2011/02/11)
三木 笙子

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「人魚は空に還る」「世界記憶コンクール」に続く、帝都探偵絵図シリーズ第3弾。かなり人気が出てきているみたいで、図書館では予約待ちでした。
前作は番外編的なものが多かったのですが、ようやく主役コンビ復活です。

「びいどろ池の月」
明治は女性の学歴が重要視され始めた時代なのですね。
芸者をしながら私塾に通い、後輩たちの悩み相談を一手に引き受ける花竜がかっこいいです。両親のエピソードも素敵でした。
花竜には探偵の素質があることだし、是非また出てきてほしいです。
それにしても女性絡みは特に不器用っぽい高広にそんな芸当ができたとは意外だわ~。

「恐怖の下宿屋」
高広が住む下宿屋を舞台にした、箸休め的な一篇です。
桃介さんいいですねぇ。下宿屋の女将=世話好きおばさん、というのはよくある設定だけど、世話好きお兄さん、ですからね。誰もがVIP扱いする礼を平気でこき使うなんて。言われるがままに働く礼もかわいいです。
かなりコメディタッチな話なのに、なぜかじ~んとしちゃいました。今回この話が一番好きかも。

「永遠の休暇」
探偵助手として甲斐甲斐しく仕事を見つけてきた礼のおかげで(?)華族のお家騒動に首をつっこむことになった高広です。
若干とっちらかった印象は受けましたが、いい話でした。
好きなことをして暮らせる幸せをあらためて実感した二人なのでしょうね。

「妙なる調べ奏でよ」
いきなり佐野の登場でニヤっとしてしまいました。思ったほど活躍しなかったですけど(笑)
最後のセリフが礼という人間を象徴していますね。暖かく見守ってあげたいです。

「人形遣いの影盗み」
怪盗ロータスが満を持して再登場。…といっても前の事件はうろ覚えでしたが;
いろいろ詰め込みすぎて、脇役たちのフォローがおざなりになってしまったのが残念。派手な演出のわりにはあまり盛り上がらなかったかな。事件そのものよりも、基博やよし乃との会話を楽しんでました。
ほっとできるエピローグはよかったです。
そうそう、基博が礼のことを今業平殿と呼んでいて意味がわからなかったのですが、今業平とは「今の世の在原業平といえるような美男」のことだそうで。なるほどね。


何がなんでも高広をホームズにしたい礼の無邪気な言動がかわいすぎます。高広は高広で、礼の期待には迷惑そうな顔をしていますが、両親に溺愛されて照れてるのがかわいい。
それよりももう~二人がラブラブすぎて(笑)本当にBLじゃないんだよね??と確認したくなります。高広が礼をお姫様扱いするのはいつものことですが、ちょっとやりすぎの感が。あげくに礼は「僕の行動くらい逐一把握しろ」ってストーカー行為を強要してるし(笑)
それはそれとして、心がほっこりする読後感がこのシリーズの大きな魅力。次回作も楽しみです。


Trackback [0] | Comment [0] | Category [作家別:ま行] | 2011.05.19(Thu) PageTop

『ジェネラル・ルージュの凱旋』海堂尊

俺を裁くことができるのは、俺の目の前に横たわる、患者という現実だけだ

ジェネラル・ルージュの凱旋ジェネラル・ルージュの凱旋
(2007/04/07)
海堂 尊

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『チーム・バチスタの栄光』『ナイチンゲールの沈黙』に続く、田口・白鳥シリーズ第3弾。

前作『ナイチンゲール~』と時を同じくして起こっていた、もう一つの事件。
不本意ながらリスクマネジメント委員会委員長を拝任した田口の元に、救命救急センター部長の速水が収賄しているという告発文が届きます。”ジェネラル・ルージュ(血まみれ将軍)”と称されICUに君臨するカリスマであり、旧友でもある速水を援護すべく、田口は東奔西走するのでした。

ジェネラルかっこいい!!その一言に尽きます。
普段の一見フザけたように見える言動と、救命救急のスペシャリストとしての一面と、どちらもかなり魅力的。そりゃモテるわ~。ギャップに弱い女子にはたまりません。各所で絶賛されているのも納得です。
私のお気に入りである田口も思った以上に活躍しますし、白鳥はあいかわらずですし(笑)楽しかったです。

それでストーリーが面白いかというと、そこまででもないのですが。良くも悪くも、速水や田口、白鳥というキャラクタの魅力で押し切っている感じです。
シリーズ開始当初は医療ミステリという位置付けでしたが、本作に関してはミステリ要素はほとんどありません。告発文を誰が送ったかなんて簡単に予想がつきますしね。医療の現状を描きたい作者が、エンタテインメント作品に仕上げるための一手段としてミステリを用いただけという気がするので、それは別に気になりませんでした。ここまでキャラが立っていれば、ミステリ要素がなくても十分楽しめます。
ただし、前作でこき下ろした欠点は、ほぼそのまま今作にも引き継がれています。やっぱりこの方の文章は合わないみたい…。続編やリンクする作品群も読んでいきたいのですが、どうも二の足を踏んでしまうのでした;

既に映画化・ドラマ化されてますね。速水役は、映画版が堺雅人、ドラマ版が西島秀俊か…。どちらもイメージ違うなぁ。
ドラマ版のタイトルは頭に『チーム・バチスタ2』ってついてるんですが…バチスタ全然関係ないし(^^; シリーズ物ってことを強調したかったんだろうけど、どう考えてもおかしいでしょ。速水が「チーム・ジェネラル」を作ったっていう設定は涙ぐましいけども(笑)

ここからちょっとネタバレです。

15年前の伝説、速水の行動は確かにめちゃくちゃかっこいいです。が、口紅に関してだけはちょっと…。
指揮官が青ざめていたら云々というのは理解できるけど、だからってねぇ。その話を聞いて「素敵ですね」ってなるのもわからない。私だったら引いちゃうかも。
そして当時も今も、いざ目の当たりにして誰も驚かないのが不思議でした(^^;

恋愛エピソードは本筋とはほとんど絡まないし、いらない気もしますね~。最後はまぁ良かったですけど。小夜の時と違って理解できる範囲だったので。完全に当て馬にされちゃった翔子には、佐藤よりも田口をお勧めしときたいです。
しかしこの病院、こんなに一度に人がいなくなって大丈夫なのか??(笑)

Trackback [0] | Comment [0] | Category [作家別:か行] | 2011.05.18(Wed) PageTop

『折れた竜骨』米澤穂信

天然の要塞ともいえる小島で起きた殺人事件。暗殺騎士に操られているのは一体誰なのか!?

折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)
(2010/11/27)
米澤 穂信

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12世紀末の欧州を舞台に展開するフーダニット(犯人探し)。特設ページに相関図、地図があります。
領主の娘アミーナは、父親を暗殺した犯人を探すため、別の理由から犯人を追っている騎士ファルクに協力を仰ぎます。アミーナ、ファルク、そしてファルクの弟子ニコラの3人で、少しずつ真相を明らかにしていきます。

おもしろかった~!本格推理小説を読み慣れていない私でも大丈夫でした。時代設定や架空の島を舞台にしていることもあって、「こんな建物、建築基準法でアウトだろ…」とか余計なことを考えずに済みます(笑)
魔術や呪いなどファンタジックな要素もあるのですが、推理はあくまでも論理的に行われます。人智を超えた力が出てきても可能性が無限に広がらないよう制約条件を提示するなど、綿密にプロットが練られているのはさすがです。(間違ってもこんなことにはならないのでご安心を…笑)

推理小説としてはもちろん、設定やキャラクタが魅力的なので、ファンタジー小説としても楽しめるところが良かったです。せつなく、ほろ苦い、けれども希望のあるラストは米澤さんの持ち味ですね。
『儚い羊たちの祝宴』といい、その才能にあらためて感服しました。こういう作り物めいた世界の方が、より本領を発揮するような気がします。


以下は、完全ネタバレ(犯人の名前も書いてます)のため、未読の方はご注意ください。


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Trackback [1] | Comment [2] | Category [作家別:や行] | 2011.05.12(Thu) PageTop

『箱庭図書館』乙一

読者からの投稿作を乙一がリメイク。異色の企画短篇集。

箱庭図書館箱庭図書館
(2011/03/25)
乙一

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完全オリジナル作品ではないということで、評価が分かれているようですね…。まぁこれはこれで、企画モノとしてはありなんじゃないでしょうか。

私にとっての乙一作品の魅力はやはり独創的な設定や展開なので、そこが他人任せなのは残念ではありますが、投稿作のどこをどう使うかを決めるセンス、欠点をカバーして作品として仕上げる能力は、さすがだなと思いました。
元の作品は「オツイチ小説再生工場」のときに読んでみたのですが、どれも最後まで読みきるのはしんどかった記憶があるので…。プロとアマの差は大きいです。
あとがきに書かれているリメイクポイントや、ビフォア/アフターで読み比べてみると、よくわかると思います。

単純に読み物として面白かったかと聞かれると、普通…なんですけどね。いつものクオリティを期待して読んだ人は、ちょっと肩すかしを食らうかもしれません。
私は「ホワイト・ステップ」と「青春絶縁体」が好きでした。どちらも会話のシーンが秀逸です。


リメイク前の投稿作は下記のサイトで読めますよ。

箱庭図書館 特設サイト  http://renzaburo.jp/8528/

Trackback [0] | Comment [0] | Category [作家別:あ行] | 2011.04.22(Fri) PageTop

『告白』湊かなえ

中学校で起きた事件の真相とその後が、関係者の告白によって次々と明かされる。

告白告白
(2008/08/05)
湊 かなえ

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読む前に内容を耳に入れないようにするのが大変でした。
映画もやっていましたしね。かなり評判が良かったので観に行きたかったんですが、やはり原作が先だろうと我慢…。映画の予告スポットだけはうっかり観てしまいましたが、それ以外はまったく知らない状態で読みました。
我慢した甲斐はありました。何なの?どうなるの?と、引き込まれるように一気に読んでしまいました。いろいろ知ってしまってから読んだのでは、衝撃の度合いが全然違っただろうなと思います。

第一章の、真綿で首を絞めるような先生の語りにはゾクゾクしました。流れるように話が進んで行くのでその時は気づかないのですが、後からじわじわ効いてくるんです。最初から全て計算ずくだったのかとわかった時の、何だろう…くやしいでもないし、気持ちいいっていうのもなんか違う…あぁっ!?って感じが忘れられません。
教師が生徒に話しかけている内容がそのまま文章になっているので最初とまどいましたが、この文体こそが独特の怖さを引き出しているのは確かです。

てっきり長編だと思い込んでいたので、連作短編だったのも驚きでした。もともと第一章の「聖職者」が短編として発表され、その後を描いた短編をまとめたものが『告白』なんですね。
最初から続編や『告白』というタイトルを意識して書かれていたのかが気になるところです。語り手が代わるたびに物事の見え方が変わり、他の人から見た描写では違和感を感じた言動も、当人の告白によってその真意が明らかになっていきます。どの話も一人称なので、どこまでが真実なのかは結局わからないままなのですが…。その突き放し方も新鮮でした。
章を追うごとに関係者の心の内が見えて理解が深まっていく反面、「聖職者」で受けた衝撃が徐々に薄まっていくのは少し残念で。でも最後の一撃でまたやられました。

現実に起きた事件に言及したりと色々と物議を醸す内容ですし、捉えようによってはかなり悪趣味な問題作だと思います。が、傑作なのは間違いありません。ここまで救いのない話を鮮やかに書ききった湊かなえさん、これがデビュー作というのがすごいです。
映画をやっと観られるのが嬉しい!ひたすら一人称で語るという原作をどんな演出で映像化しているのか楽しみです。


Trackback [0] | Comment [0] | Category [作家別:ま行] | 2010.12.30(Thu) PageTop


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