[Tag] 友情

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『おしまいのデート』瀬尾まいこ

”最後の”デート、ではなく”おしまいの”デートって言い回しが瀬尾さんらしくていいのです。

おしまいのデートおしまいのデート
(2011/01/26)
瀬尾 まいこ

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一風変わったデートにまつわる短篇集。組み合わせも男女に限らずいろいろです。

「おしまいのデート」
思春期真っ只中な女の子とおじいちゃんのデート。
このおじいちゃん、ちょっととぼけているのですが、名言率高し。演歌とビートルズの組み合わせは『天国はまだ遠く』を思い出しました。

「ランクアップ丼」
昔やんちゃした教え子と先生のデート。
三好くんなんていい子!学ランの下に赤いシャツ着てるのに横断歩道でおばあちゃんの荷物持ってあげるタイプですね(笑)
上じいと三好くんの方言での会話が心地いいです。この話が一番好きでした。

「ファーストラブ」
ほとんどしゃべったこともないクラスメイトの男の子同士のデート。
宝田のアプローチの仕方がどこかズレてておもしろいです。広田が誤解するのは当然でしょう(笑)なにか因縁があって誘ったのかなとか深読みしてしまったのですが、どうなんでしょう。

「ドッグシェア」
バツイチOLと大学生の一匹の犬を介したデート。
飼うわけではないのに餌はやるとか、どうも二人とも無責任な気がしてあまり楽しめない話でした。
久永さんの言動は同い年としてはちょっと複雑…。「まけてよ」とか平気で言えるには早い気がするのですが(^^;

「デートまでの道のり」
園児のお父さんとこっそり付き合っている保育士のお話。
妙に冷めた態度を取ったりするカンちゃん。小さい子供って、大人が考えている以上にいろいろ解ってたりするんでしょうね。
カンちゃんのお父さんのポジティブな性格、あこがれます。

どの話も前後背景が説明不足というか、どうとでも解釈できるように書かれています。でもそれが嫌な印象はなくて、特別なイベントとして取り上げているわけではなく、ごく自然な一場面を切り取ったという感じがしてよかったです。
余韻というよりは、この先のことが簡単に想像できるような終わり方。

いつにもまして装丁がかわいいです。カバーを外した中の絵もなかなかステキ。

Trackback [1] | Comment [0] | Category [作家別:さ行] | 2011.05.28(Sat) PageTop

『人形遣いの影盗み』三木笙子

あいかわらず気乗りしない和製ホームズとは裏腹に、周囲の期待は鰻登りのようです。

人形遣いの影盗み (ミステリ・フロンティア)人形遣いの影盗み (ミステリ・フロンティア)
(2011/02/11)
三木 笙子

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「人魚は空に還る」「世界記憶コンクール」に続く、帝都探偵絵図シリーズ第3弾。かなり人気が出てきているみたいで、図書館では予約待ちでした。
前作は番外編的なものが多かったのですが、ようやく主役コンビ復活です。

「びいどろ池の月」
明治は女性の学歴が重要視され始めた時代なのですね。
芸者をしながら私塾に通い、後輩たちの悩み相談を一手に引き受ける花竜がかっこいいです。両親のエピソードも素敵でした。
花竜には探偵の素質があることだし、是非また出てきてほしいです。
それにしても女性絡みは特に不器用っぽい高広にそんな芸当ができたとは意外だわ~。

「恐怖の下宿屋」
高広が住む下宿屋を舞台にした、箸休め的な一篇です。
桃介さんいいですねぇ。下宿屋の女将=世話好きおばさん、というのはよくある設定だけど、世話好きお兄さん、ですからね。誰もがVIP扱いする礼を平気でこき使うなんて。言われるがままに働く礼もかわいいです。
かなりコメディタッチな話なのに、なぜかじ~んとしちゃいました。今回この話が一番好きかも。

「永遠の休暇」
探偵助手として甲斐甲斐しく仕事を見つけてきた礼のおかげで(?)華族のお家騒動に首をつっこむことになった高広です。
若干とっちらかった印象は受けましたが、いい話でした。
好きなことをして暮らせる幸せをあらためて実感した二人なのでしょうね。

「妙なる調べ奏でよ」
いきなり佐野の登場でニヤっとしてしまいました。思ったほど活躍しなかったですけど(笑)
最後のセリフが礼という人間を象徴していますね。暖かく見守ってあげたいです。

「人形遣いの影盗み」
怪盗ロータスが満を持して再登場。…といっても前の事件はうろ覚えでしたが;
いろいろ詰め込みすぎて、脇役たちのフォローがおざなりになってしまったのが残念。派手な演出のわりにはあまり盛り上がらなかったかな。事件そのものよりも、基博やよし乃との会話を楽しんでました。
ほっとできるエピローグはよかったです。
そうそう、基博が礼のことを今業平殿と呼んでいて意味がわからなかったのですが、今業平とは「今の世の在原業平といえるような美男」のことだそうで。なるほどね。


何がなんでも高広をホームズにしたい礼の無邪気な言動がかわいすぎます。高広は高広で、礼の期待には迷惑そうな顔をしていますが、両親に溺愛されて照れてるのがかわいい。
それよりももう~二人がラブラブすぎて(笑)本当にBLじゃないんだよね??と確認したくなります。高広が礼をお姫様扱いするのはいつものことですが、ちょっとやりすぎの感が。あげくに礼は「僕の行動くらい逐一把握しろ」ってストーカー行為を強要してるし(笑)
それはそれとして、心がほっこりする読後感がこのシリーズの大きな魅力。次回作も楽しみです。


Trackback [0] | Comment [0] | Category [作家別:ま行] | 2011.05.19(Thu) PageTop

『レヴォリューションNo.3』金城一紀

君たち、世界を変えてみたくはないか?

レヴォリューション No.3レヴォリューション No.3
(2005/04/28)
金城 一紀

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再読です。『レヴォリューションNo.0』を読んでやっぱり読み返したくなったので。
最初の単行本の印象が強いんですが、私はこの新装版がお気に入り。どれが誰なんだろうって考えるのも楽しいです。
あらためて読むと、デビュー作だけあって青いというかなんというか…若さに溢れたヘンな勢いがあって、シリーズの中ではやっぱりこれが一番好きですね。

自他共に認めるオチコボレ男子校の生徒達が、優秀な遺伝子を取り込むべく(?)近所のお嬢様学校の学園祭になんとか潜り込もうと画策する、というのが表題作。その他、卒業旅行費の奪還作戦「ラン、ボーイズ、ラン」、ストーカーから美女を守る「異教徒たちの踊り」と、どの話もおもしろいです。
ザ・ゾンビーズはおバカな発想とフットワークの軽さも魅力ですが、なにより男の友情っていいなぁと思わせてくれるんですよね。ヒロシのお見舞いに行って皆がさっと定位置につく様子とか、わざと負ける方に賭けて夕食を奢るとか、さりげない優しさにグッときます。最弱のヒキを持つ男・山下がミスしたときの皆の反応も素敵ですし。

余談ですが、舜臣の「(ヒロシが首相になったら)SPになってやるよ」みたいなセリフにニヤニヤしちゃいました。後に映画『フライ,ダディ,フライ』で舜臣を演じた岡田君が『SP』やるわけで、なんだか偶然とは思えないですね。

Trackback [0] | Comment [0] | Category [作家別:か行] | 2011.04.06(Wed) PageTop

『レヴォリューションNo.0』金城一紀

ザ・ゾンビーズが帰ってきた!

レヴォリューションNo.0レヴォリューションNo.0
(2011/03/01)
金城 一紀

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シリーズ4作目にして、ザ・ゾンビーズがまだ1年生だった頃の話です。
主人公(南方でしたっけ?)と舜臣、ヒロシ、山下、萱野が仲間になるまでの話なのかと思っていたら、既に親友と呼べる間柄になっていて拍子抜け。仲間にはなっていたけど、まだ何も成し遂げてはいない彼らが、初めて誰かのために活動する話なのです。

相変わらず不運な山下や、アギーのフェロモンに堕ちそうになってる主人公がお約束でおもしろかったです。
ただ、いつもの変な格言がなかったのは楽しみにしていただけに残念。主人公の淡々とした雰囲気が好きだったので、妙にうじうじしているのもちょっとなぁ。悟りを開く前ってことなのでしょうけれども。
それにしても、なんで班を12人にしたんでしょう。主要メンバ以外は存在を感じさせないほど描写がないのに、最後に唐突に名前が出てきて戸惑いました。しかも彼らの犠牲がどうしても必要だったかというと、そうは思えないし(鉄格子に足をかければ良かったのでは…)。
とはいえ、ここから始まったというべきドクター・モローのあの一言が出てきたときはニヤリとしました。『レヴォリューションNo.3』を読み返したくなること間違いなしです。

長編はともかく短編ならまだこのシリーズを続けられそうな気がするのですが、完結編と言い切ったからにはもう書く気がないんでしょうね。。
『SP』も今度の映画で完結するようですし、次回作がどうなるのか気になります。
できればまたおバカな青春ものを書いてほしいのですが。

Trackback [0] | Comment [0] | Category [作家別:か行] | 2011.03.07(Mon) PageTop

『花よりもなほ』是枝裕和

仇討ちは武士の務め。…でも仇討ちしない人生だってある。

花よりもなほ (角川文庫)花よりもなほ (角川文庫)
(2008/05/24)
是枝 裕和

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以前に感想を書いたこともある、映画『花よりもなほ』の原作小説です。
脚本・監督の是枝さん自身が書いているのですが、小説としての出来は微妙なところ。映画が良すぎるので、あの空気感が表現されきれていないのが物足りないのです。どうせなら脚本をそのまま戯曲として出版した方がよかったかも…?
映画を観ていないとわかりずらい箇所もあるので、先に観てから読むのがおすすめです。

宗左がまだ故郷にいる頃の話や、貧乏長屋の人たちとの出会いなど、映画にはないエピソードも書かれてあります。仇の居場所を知るタイミングなんかもちょっと違うかな。表情だけで内面を表現されていたところは、具体的に何を考えていたかがわかるので、解釈が違ったのも含めてなるほど~という感じです。
実際に役者さんがしゃべるおもしろさにはかないませんが、ふざけた掛け合いはやっぱりおもしろい。長屋の男たちのバカな会話に癒されます。
長屋メンバー以外では宗左の叔父さんが好きですね。映画では石橋蓮司さんが本当にいい味出してるんですよ~(笑)

あとがきに、監督がこの話を思いついたきっかけが書いてありました。9.11や父親の死という暗い出来事からこんな爽快なお話を生み出したというところが、まさにこの話のテーマにも通じていたりして、興味深かったです。
この映画が好きなら読む価値ありですよ。


Trackback [0] | Comment [0] | Category [作家別:か行] | 2011.02.19(Sat) PageTop


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