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『鶴屋南北の恋』領家高子

歌舞伎に命を最後の一滴まで注ぎ込んだ鶴屋南北の晩年の恋とは。

鶴屋南北の恋鶴屋南北の恋
(2009/07/18)
領家 高子

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歌舞伎に詳しくない人でも「東海道四谷怪談」という演目は聞いたことがあるはず。その本を書いたのが、遅咲きながら数々の作品を世に残し、大南北とも呼ばれた、歌舞伎狂言作者の四代目鶴屋南北です。
深川芸者の鶴次は、十年来の男の頼みで、鶴屋南北のもとに妾奉公にあがることに。恋人が自分を売ったことに傷つきながらも、南北の深い眼差しに圧倒され魅了された鶴次は、これまでの暮らしを捨てて付いて行く決心をするのでした。
数々の逆境に喘ぐ歌舞伎界で命の限り走り続けた鶴屋南北と、最期まで側で見守った鶴次。粋な男と女の一世一代のごっこ遊びが心に染みます。

読んでいるあいだ何度も溜息をつきました。それくらい魅力的なセリフ、シーンが多いのです。
江戸時代なんて詳しくないし、歌舞伎もさっぱりわからない、なにより年寄りの恋愛ものなんてみたくない、という私がこの本を受け入れられたのは不思議でしょうがありません。鶴次と同じく、大南北に魅せられてしまったのでしょう…。
七十過ぎのおじいちゃんですよ。平均寿命が違うので、今の感覚だと九十歳くらいなわけです。なのに、なんでこんなに艶っぽいのか。
鶴次がまたいい女なのです。鶴次のサバサバした言動と情の深さがあってこそ、いつ崩壊してもおかしくない浮世離れした暮らしが続けられたに違いありません。
そして大南北を生き長らえさせるために全てを捧げた男、重兵衛。頭脳となり手足となって南北を支え続けた彼は、もう一人の鶴屋南北なのですね。タイトルは『大南北の恋』でも『源さんの恋』でもなく、『鶴屋南北の恋』でなくてはならないわけです。

普段読んでいるものとは一線を画す、大人の読み物でした。堪能しました。

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Trackback [0] | Comment [0] | Category [作家別:ら行] | 2011.04.18(Mon) PageTop

『花よりもなほ』是枝裕和

仇討ちは武士の務め。…でも仇討ちしない人生だってある。

花よりもなほ (角川文庫)花よりもなほ (角川文庫)
(2008/05/24)
是枝 裕和

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以前に感想を書いたこともある、映画『花よりもなほ』の原作小説です。
脚本・監督の是枝さん自身が書いているのですが、小説としての出来は微妙なところ。映画が良すぎるので、あの空気感が表現されきれていないのが物足りないのです。どうせなら脚本をそのまま戯曲として出版した方がよかったかも…?
映画を観ていないとわかりずらい箇所もあるので、先に観てから読むのがおすすめです。

宗左がまだ故郷にいる頃の話や、貧乏長屋の人たちとの出会いなど、映画にはないエピソードも書かれてあります。仇の居場所を知るタイミングなんかもちょっと違うかな。表情だけで内面を表現されていたところは、具体的に何を考えていたかがわかるので、解釈が違ったのも含めてなるほど~という感じです。
実際に役者さんがしゃべるおもしろさにはかないませんが、ふざけた掛け合いはやっぱりおもしろい。長屋の男たちのバカな会話に癒されます。
長屋メンバー以外では宗左の叔父さんが好きですね。映画では石橋蓮司さんが本当にいい味出してるんですよ~(笑)

あとがきに、監督がこの話を思いついたきっかけが書いてありました。9.11や父親の死という暗い出来事からこんな爽快なお話を生み出したというところが、まさにこの話のテーマにも通じていたりして、興味深かったです。
この映画が好きなら読む価値ありですよ。


Trackback [0] | Comment [0] | Category [作家別:か行] | 2011.02.19(Sat) PageTop

『退屈姫君 これでおしまい』米村圭伍

どんな難題でも閃きで乗り切ってきためだか姫ですが、ついにお手上げとなるのでしょうか。

退屈姫君 これでおしまい (新潮文庫)退屈姫君 これでおしまい (新潮文庫)
(2008/12/20)
米村 圭伍

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風見藩のシリーズもいよいよ最終巻となりました。ちなみに読む順番はこちらの記事の下の方にまとめてあります。

めだか姫が待ち望む天下の一大事は、今回ちょっと違う形でやってきます。
まずは諏訪から。こちらは天下の、というわけではありませんでしたが、諏訪にとってはかなりの一大事のようです。まぁこれまでの経緯を知っていれば当然の結果といえます(笑)
次にかけこんできたのは、西条綱道。前作で衝撃の初登場を果たした猪鹿蝶シスターズが行方不明になったというのです。めだかは姉達の行方を突き止めるべく、菊合わせの会場に出かけ、別の厄介事に巻き込まれることになります。

最後とあって内容は盛りだくさんなのですが、猪鹿蝶の件と菊の件とがうまく絡み合っていなかったり、新しい登場人物がたくさん出てくるので(しかもそれほどおもしろいキャラもいない)いつものメンバーの影がちょっと薄まってしまったり、と残念な点もあり、出来は前作の方がよかった気がします。
が、見所はちゃんとあります。一番の功労者はまたしても香奈。頭の中だけで暗号を解いていくシーンは、映像が目にうかぶようでした。謎解き系のドラマのシーンでありそうな感じです。
前回あまり活躍できなかった一八は、得意分野で大活躍。最後まで哀れな奴です(笑)
そして同じ新潮社の時代小説『しゃばけ』シリーズを読んでいる人はニヤッとする仕掛けもあり。たしか以前も薬種問屋がどうとかいってた気がしますが、やはりあの店のことのようです。

田沼との因縁はこれで終わりではなく、この後に『風流冷飯伝』の最後の部分(将軍家治との将棋対決)がくるわけです。
また、お仙の物語は『錦絵双花伝』へと続きます。今回それを匂わせるエピソードが入れられていましたが、やはり風見藩シリーズとは趣が違うというか雰囲気がそぐわない感じがしましたね。
これで終わってしまうのは残念ですが、最後に特別付録として「それからのみんな」の記述がありました。数馬、よかったね…!でも一体何年待ったんだろう?(笑)

Trackback [0] | Comment [0] | Category [作家別:や行] | 2010.09.22(Wed) PageTop

『退屈姫君 恋に燃える』米村圭伍

若い二人の恋を成就させるだけのはずが、またもや宿敵・田沼との対決に。

退屈姫君 恋に燃える (新潮文庫)退屈姫君 恋に燃える (新潮文庫)
(2005/09)
米村 圭伍

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今回のタイトル、既に時羽藩主のもとに嫁ぎ、政略結婚ではあっても仲良くやっているめだか姫の恋ではありません。将棋の修行のため江戸に出てきている榊原拓馬が、とある大名の娘に一目惚れしてしまったのです。
いつものように退屈のあまり欠伸していためだか姫は、身分違いの恋を成就させようと策を練ります。ところがそれを知り、憎きめだか姫への恨みを晴らそうと、またしても卑怯な手を使って阻止してくる田沼意次。そして両者は再び対決することとなるのでした。

しばらく放置してしまっていた退屈姫君シリーズ。読み始めるとやっぱりおもしろいです。
めだか姫の頼りになる相棒・お仙はもちろん、諏訪や小文五、前作でめだか姫たちとともに江戸にやってきた数馬に一八、拓馬の姉である香奈も加わり、オールスター揃い踏みでかなり楽しい仕上がりになっています。特に香奈は大活躍で格好よかった!
あいかわらずシモネタは出てくるし、筆者がたびたび顔を出すのには参りますが、これも持ち味と楽しんだもん勝ちです。

それにしても、めだか姫とその仲間達には身分差なんて存在しないようです。
例えば、一介の家臣(しかも冷飯)である数馬に対し、直光は同じ冷飯とはいえ藩主の弟君ですし、めだかは藩主の正妻であり五十万石の大藩の娘です。普通なら同席するのも憚られると思うのですが、いたって普通の友達のよう(あたりまえのように人を使うところは、いかにもお姫様ではあるのですが)。将軍様とお友達っていうのもすごいです。
だからこそ拓馬の身分違いの恋をあっさり応援してしまえるのでしょう。普通はそこが大問題なんですけどね。
最終的に二人をバックアップする西条綱道が素敵すぎます。めだかの頼みをただ引き受けるだけじゃなくて、拓馬と約束をかわすところにぐっときました。

シリーズの読む順番はこちらの記事の下の方にまとめてありますので、参考にどうぞ。

Trackback [0] | Comment [0] | Category [作家別:や行] | 2010.09.20(Mon) PageTop

『退屈姫君 海を渡る』米村圭伍

1ヶ月のインターバルを置いてようやく解禁しました(インターバルの理由は後述)。

退屈姫君 海を渡る (新潮文庫)退屈姫君 海を渡る (新潮文庫)
(2004/09)
米村 圭伍

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『退屈姫君伝』の続編です。前作では江戸で田沼意次と対決して風見藩を守っためだか姫とお仙ですが、今回の舞台は四国は風見藩。参勤交代で国に戻っている藩主・時羽直重が行方不明になったと聞き、喜び勇んで(?)駆けつけます。

風見藩が舞台ということは、『風流冷飯伝』で出て来たあの人もあの人もあの人も出てきます。それだけでも十分楽しいのですが、そこで起きた出来事が実は伏線になっていたとわかったり、いろいろな仕掛けが施されています。それにしても、飯盛のおふくは女から見ても怖すぎですね(苦笑)
めだか姫は相変わらずの行動力&クールな思考回路で、やはりそこらのお姫様とは一線を画しています。不謹慎なことをさらっと言ったりしますし、意外と冷淡なところがあるなぁと今回思いました。それでも憎めないのは悪意がないからでしょうか。ユーモア小説なので基本は楽しいのですが、たまーに苦い現実が描かれていたりするので侮れません。

数馬・隼人はなんだかキャラが変わったような気が。こんな性格だったかな??女が活躍するこのシリーズなので、志織の出番をもっと増やしてほしかったです。代わりに榊原拓馬のお姉さんが活躍してくれました。
それから、顎の旦那(笑)こと倉地政之助があまり出てこなかったのがとっても残念でした。ぜひ続編での活躍を期待!めだかの父も出番は少ないですが、かなりの豪傑で大好きです。直重もなかなかマイペースな殿様でいいですね。

『錦絵双花伝』の感想にも書きましたが、本来は『風流冷飯伝』『退屈姫君伝』『錦絵双花伝(面影小町伝)』で三部作となっています。が、1・2作目と3作目ではかなり趣が違うこと、退屈姫君がシリーズ化したことから、そこは意識しないほうがいいかと思います。読む順番は、
1)『風流冷飯伝』
2)『退屈姫君伝』
3)『退屈姫君 海を渡る』
4)『退屈姫君 恋に燃える』
5)『退屈姫君 これでおしまい』
6)『錦絵双花伝(面影小町伝)』
がベストではないかと。
私は3~5より前に6を先に読んでしまったがために、気持ちを切り替えるための時間が必要でした。1ヶ月あけても最初はまだ少し引きずってしまいましたけども(めだか姫の「私も忍びに生まれたかった」発言は悪気がないにしてもちょっと…)。

次の『~恋に燃える』はまた江戸が舞台。でもチームめだか姫のメンバーは増えてますから…楽しみです。

Trackback [0] | Comment [0] | Category [作家別:や行] | 2010.07.18(Sun) PageTop


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