[Tag] SF


『文学刑事サーズデイ・ネクスト〈2〉さらば、大鴉』ジャスパー・フォード

慌ただしい新婚生活を送るサーズデイに最大の危機が。

文学刑事サーズデイ・ネクスト〈2〉さらば、大鴉文学刑事サーズデイ・ネクスト〈2〉さらば、大鴉
(2004/09)
ジャスパー フォード

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前作以上に盛り上がるまでの過程が長いため何度か挫けそうになりましたが、どれも必要なエピソードのはずと自分に言い聞かせて読み進めました。しんどかっただけに後半で一気に真相が明らかになっていく爽快感は格別です。
このシリーズのスケールの大きさは認識していたつもりですが、今回で新たに投入された設定の数々は予想を上回るものでした。あまりにも大風呂敷を広げすぎて興醒めしてしまうのでは…という心配も杞憂に終わり、この不思議な世界をたっぷり楽しむことができました。

翻訳物なので仕方ないとはいえ、登場人物の話し方に違和感を感じるところがあるのがちょっと残念でしたが。副題も意味が通っていないですし。
こういう言葉遊びの多いものなんかは特に、原著で読んだら何倍も楽しめるのでしょうけどね。語学力の無さが悲しいです。。

物語の中に出てくる本の内容は知らなくても何とかついてはいけますが、『大いなる遺産』と『審判』は知っているとかなり面白いのではないかと思います。私は例のごとく未読でしたが…。役を演じていない時のミス・ハヴィシャムはかなり強烈なキャラクターだったので、ぜひオン/オフのギャップを見てみたいです。
新キャラのコーディーリアは”牛乳を腐らすほど服装のセンスが悪い”って設定が(笑)相棒ボーデンの天然っぷりも磨きがかかっておもしろいし、スパイクの彼女とのエピソードも笑わせてもらいました。

前作で未回収だった伏線はそのままだし(もはや回収はないのかも?)、サーズデイにとっての最大の問題は解決しないままだし、どうなっちゃうの!?というところで以下続刊。
すぐにでも続きを読みたいところですが、3作目は翻訳が出ているものの単行本はなく文庫版のみ、さらに4作目は未翻訳…と不安要素がたっぷり。
なんとなくヴィレッジブックスって簡単に打ち切ったりしそうだし…。出版社や訳者が変わってもいいから続き出してほしいところ。(株)魔法製作所シリーズを本国に先駆けて刊行した東京創元社のような心意気を!

Trackback [0] | Comment [2] | Category [作家別:海外] | 2011.05.09(Mon) PageTop

『文学刑事サーズデイ・ネクスト〈1〉ジェイン・エアを探せ!』ジャスパー・フォード

メタ文学+SF+刑事モノというありそうでなかった痛快ジェットコースター小説。

文学刑事サーズデイ・ネクスト〈1〉ジェイン・エアを探せ!文学刑事サーズデイ・ネクスト〈1〉ジェイン・エアを探せ!
(2003/10)
ジャスパー フォード

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物語の舞台は1985年のイギリス。ただし、歴史や文明の発達の仕方がちょっと違います。クリミア戦争が今なお続いていたり、遺伝子操作で生まれたドードーが人気のペットだったり、ジェット機の代わりに飛行船が飛んでいたり、『ジェイン・エア』がハッピーエンドでなかったり。
警察とは別に特殊事件を専門的に扱う特別捜査機関(スペックオプス)があり、主人公サーズデイ・ネクストはそこの文学刑事局(リテラテックス)に務めています。ちなみにスペックオプスには時間警備隊(クロノガード)なんて部署もあったりします。
ディケンズの直筆原稿が何者かに盗まれたところから、二次元と三次元、さらに四次元もが交差する複雑な事件が始まっていきます。

序盤は世界観を理解するのが大変で、なかなか物語に入っていけなかったのですが、話が進むにつれて加速度的に面白くなっていき、後半はイッキ読み。
英文学に詳しくなくても大丈夫です。私自身、作家名くらいは聞いたことがあるものの知らない作品ばかりで、最初はどうしようかと思いました。でも作中でざっと説明はされますし、いざとなればネット上にあらすじや解説がありますから(ただし『ジェイン・エア』は結末が異なる設定なので要注意ですが)。あとは、訳者あとがきを先に読むと設定を理解しやすいかもしれません。
主な登場作品としてあげられているもの以外にも、文学にまつわる小ネタやお遊びがたっぷりあるようなので、わかる人が読めばかなり面白いはず。残念ながら私はほとんどわかりませんでしたが(^^;

舞台設定もさることながら、キャラクターもとってもユニークなんです。敵味方どちらも変人率高し(笑)
サーズデイは元警察官でクリミア戦争での戦闘経験もあるタフな女性ですが、10年前に別れた恋人を忘れられないなんて弱気な一面も持っています。
元クロノガードであるサーズデイの父親は、時間を自由に移動できるという凄い能力の持ち主ですが、空気を読めないのが玉に瑕。事件の引き金となる発明をしたマイクロフト叔父さんもかなりいい味出してます。変な発明品の数々もおもしろかったなー。
私はサーズデイの上司ヴィクターがお気に入りでした。

これ映画化しても絶対おもしろいと思いますね。文学がテーマってマニアックだから難しいかな??
ともかく『ジェイン・エア』を読んでみたくなりました。正直ストーリー自体にはあまり興味をそそられないのですが、このシーンの裏ではあんなことが…とか考えるのが楽しそう。

シリーズ3冊目まで出ているようです。
今巻で回収されなかった伏線もあったので、早く続きを読まなくちゃ!

Trackback [0] | Comment [0] | Category [作家別:海外] | 2011.04.14(Thu) PageTop

『マルドゥック・スクランブル』冲方丁

カジノでの対決シーンが見物です。

マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA)マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA)
(2003/05)
冲方 丁
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マルドゥック・スクランブル―The Second Combustion 燃焼 (ハヤカワ文庫JA)マルドゥック・スクランブル―The Second Combustion 燃焼 (ハヤカワ文庫JA)
(2003/06)
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マルドゥック・スクランブル―The Third Exhaust 排気 (ハヤカワ文庫JA)マルドゥック・スクランブル―The Third Exhaust 排気 (ハヤカワ文庫JA)
(2003/07)
冲方 丁
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確か『文学賞メッタ斬り!』シリーズのどれかで絶賛されてたんだったかな。なんとなく気になっていたので読んでみました。
『The First Compression 圧縮』『The Second Combustion 燃焼』『The Third Exhaust 排気』の全3巻で、命を狙われた少女娼婦バロットが、ウフコックという最大のパートナーを得て敵と戦っていくというストーリー。
私はライトノベルもSFもほとんど読まないので、独特の雰囲気に慣れるまでは戸惑いました。ルビの多さもそうだし、抽象的な表現の連続に挫けそうになることも…。でも、それさえ乗り越えればおもしろく、一気に読んでしまいました。

戦い方は様々で、銃撃戦あり、法廷戦争あり、カジノ勝負あり、と楽しませてくれます。特におもしろかったのが、2巻から3巻にかけてのカジノシーン。スロットに始まり、ポーカー、ルーレット、ブラックジャックと、それぞれにハイライトシーンがあり、飽きさせません。ボーカーやブラックジャックは子供の頃に家でよく遊んでいたので(賭けるのはマッチ棒でしたけど)、久しぶりにやりたくなりました。
キャラクターも立っていて、合間にかわされるドクターとウフコック、バロットの会話が楽しいです。

バロット達のその後、読みたいです。シリーズ2作目の『マルドゥック・ヴェロシティ』はウフコックとボイルドの過去の話だそうなので、読むかどうかちょっと迷いますね。なんか暗そうで;

Tag SF
Trackback [0] | Comment [0] | Category [作家別:あ行] | 2010.03.24(Wed) PageTop


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