[Category] 作家別:ま行

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『まほろ駅前狂騒曲』三浦しをん

まほろ駅前シリーズ第3弾。映画、ドラマときて、また映画になりそうな予感。

まほろ駅前狂騒曲まほろ駅前狂騒曲
(2013/10/30)
三浦 しをん

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いつもの奴らがなぜか集結―?まほろ駅前は大騒ぎさ!四歳の女の子「はる」を預かることになった多田と行天。その後なんとバスジャック(?)に巻き込まれることに―。
(「BOOK」データベースより)


前作から引っ張っていた多田の恋はひとまず決着。 そしてシリーズ中ずっと根底にあった行天のトラウマにもようやくきちんと向き合うことに。
再会してから少しずつ前を向き始めていた二人が、ついに一歩踏み出したわけで、ずっと見守っていた立場からすると感慨深いものがあります。
一作目からの”幸福は再生する”というメッセージをあらためて感じさせてくれるお話でした。

シリアスパート以外は、まさに狂騒曲といったドタバタ具合で(そのあたりが映画化を意識しているように見える)、これまでの登場人物はおそらく全員出てきたんじゃないかな。
帯にバスジャック云々とあり、このシリーズっぽくない派手な展開になったら嫌だなぁ…と心配していたのですが、思ったよりは楽しめました。犯人グループがあれですしね(笑)
これまで連作短編の形を取っていたのが今回は違ったからか、いつもより挿絵が多かったような。…正直いらなかったです。特にはるちゃん。全然かわいくなくてむしろ怖かったよ…。

なんだかこれでシリーズ完結となりそうな雰囲気ですが、また後日譚なり番外編なり書いてくれると嬉しいですね。

最後にドラマの話(放映時にレビューしそこねたので)。
映画はそれほどでもなかったのですが、ドラマ(まほろ駅前番外地)はかなり好きでした。
実写化が決まった当初こそ瑛太くんが多田って若すぎるんじゃ…なんて思っていたけど、ドラマですっかり愛着がわき、今となっては他の俳優さんでは考えられないです。松田龍平くんの行天は言うに及ばず。
ドラマ版の多田は、原作よりもだらしなくてちょっと不真面目なんですよね。だから今回久々に原作を読んで、優等生的な多田が新鮮でした。星”くん”なんて絶対言いませんから。
行天も原作の方が比較的まともに話をするイメージですね。エキセントリックな言動はどっちもどっちだけど(笑)
回によってはオリジナルストーリーもあり、原作とは違った楽しみ方ができるので、まだの方はぜひ見てみてください。おすすめですよ〜!

Trackback [1] | Comment [0] | Category [作家別:ま行] | 2013.12.18(Wed) PageTop

『黒猫の接吻あるいは最終講義』森晶麿

黒猫と付き人の進展具合をじれったく見守るシリーズ第2弾。

黒猫の接吻あるいは最終講義黒猫の接吻あるいは最終講義
(2012/05/24)
森 晶麿

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黒猫と付き人がバレエ『ジゼル』を鑑賞中、ダンサーが倒れるハプニングが発生した。五年前にも同じ舞台、同じ演目で、バレリーナが死亡する悲劇が起きていた。ガラスアーティストの塔馬から聞いた黒猫の過去と、二つの事件の関連を気にする付き人。しかし何やら隠し事をしているらしい黒猫は、関わらないよう忠告するだけだった。仕方なく付き人は一人で事件に挑むが…ジゼル、ガラスアート、ポオを絡め、二度の事件を結ぶ図式が見えたとき、黒猫の最終講義が始まる―。
(「BOOK」データベースより)


『黒猫の遊歩あるいは美学講義』の続編にあたります。
事件を美学的目線で考察していくのは前作と同じ。ただ今回はポオの影は薄めでした。その代わり、バレエの演目『ジゼル』を主軸にして物語が展開していきます。
ちなみに主人公2人の名前はやはり明かされないまま。感想書きにくいからなんとかしてほしいな(苦笑)

前作よりも読みやすく分かりやすいと感じたのは、長編だからでしょうか。バレエについて全く知らなくても大丈夫でした。
相変わらずご都合主義な部分も多かったですが、場面の美しさを優先していると思えば、まぁ許せるかな。黒猫の浮世離れした人物像からして、いかにもフィクションですからね。気にしたら負けでしょう。
ミステリとしての面白さはあまりないので、そういうものを求めて読むとがっかりすると思います。かといって恋愛モノとしてどうかといわれると…おすすめできるかちょっと悩んでしまいます(笑) もどかしい二人を見ているのが好きな人ならアリかな。

なんだかんだいっても続きは気になるので、わりと気に入っているのかもしれません。

Trackback [0] | Comment [0] | Category [作家別:ま行] | 2013.04.01(Mon) PageTop

『黒猫の遊歩あるいは美学講義』森晶麿

美学とポオ作品を足掛けにめくるめく推理が展開される、不思議な味わいのミステリシリーズ第1弾。

黒猫の遊歩あるいは美学講義黒猫の遊歩あるいは美学講義
(2011/10/21)
森 晶麿

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でたらめな地図に隠された意味、しゃべる壁に隔てられた青年、川に振りかけられた香水、現れた住職と失踪した研究者、頭蓋骨を探す映画監督、楽器なしで奏でられる音楽。日常のなかにふと顔をのぞかせる、幻想と現実が交差する瞬間。美学・芸術学を専門とする若き大学教授、通称「黒猫」は、美学理論の講義を通して、その謎を解き明かしてゆく。第1回アガサ・クリスティー賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)


大学の博士課程1年目、エドガー・アラン・ポオを研究している「私」が主人公。学部時代の同級生であり、異例の若さで教授になった「黒猫」とともに、様々な事件に遭遇する…。
普通のミステリなら「事件をどう推理してどう解決するのか」が肝となるのでしょうが、この作品においては「美学的観点から見てどう分析されうるか」が全てだったりします。もちろん最後に真相は明かされますが、それまでに展開される会話(主に黒猫による講釈)の前には、それはただのおまけのようにも思えるのです。

実に2ヶ月ぶりの読書です。図書館で見かけて直感で選んだ本なのですが、これがなかなかの難物でした。
理系の研究ならまだしも、文学作品や芸術を”研究する”ということ自体あまり具体的なイメージを描けないうえ、美学の知識なんてゼロなので、出てくる理論も何が何やらさっぱり。それでもなんとか振り落とされないようについていくと、なんとなく言わんとしていることが見えてくるような…。
脳をフル回転させないといけないので、とても疲れます(笑) でもたまにはこういう読書も必要だなと感じました。わかりやすいものばかり読んでいては駄目ですよね。

連作短編の形で1話ごとに異なるポオの作品を取り上げています。
事件、美学、ポオ作品、と全く無関係のように見えた要素の関連性が次第に明らかになっていく様は、なんだか狐につままれているようです。実際こじつけめいた論拠も多いような気がするのですが、流れるように進む黒猫の講釈に、主人公同様ただただ聞き入ってしまいました。
各話の軸となるポオの作品は、事前に読んでおいた方がいいと思います。一応あらすじは載っているので話の展開についていくには困らないですが、元作品を読んでいると楽しめる仕掛けがあったり(第一話の冒頭なんてまさに)、残念ながらけっこうなネタバレがあったりしますので。
私も今回あわせて『モルグ街の殺人事件』『黒猫』『盗まれた手紙』『黄金虫』を読みました。少なくとも『モルグ街〜』は昔読んだはずなのですが、全く覚えていなかったので…。どれもそれほど長くないですし、今や無料でダウンロード出来たりするので、ぜひ予習されることをおすすめします。

デビュー作(しかも公募作品)としては抜群に文章が読みやすく洗練されていますが、ミステリを期待して読むといまひとつ。
第一話はなんだか腑に落ちないし、第三話はあまりにも都合よく偶然が重なりすぎ。どの話も事件の関係者がことごとく黒猫の知り合いなのにはちょっと白けてしまいます。
出てくる地名も、実際にあるものと架空のものを織り交ぜるのはともかく、それが漢字だったりアルファベットだったりするのはちょっと気持ち悪かったです。もしかしてそこに何か意味があるのでしょうか。
この世界観に浸れるかどうかが評価の分かれるところかもしれません。自分のことを「黒猫」呼ばわりしちゃう男って…とか考えちゃダメなんですね(笑)
微妙なミステリ要素と難解な理論だけだと途中で投げ出していたかもしれませんが、惹きこまれる文章であることは確かですし、息抜きとなる主人公と黒猫のやり取りがなかなか面白いので、この手のものはあまり得意でない私でも、なんとか大丈夫でした。

続編が2冊出ていました。そちらの感想も近いうちに。

Trackback [0] | Comment [0] | Category [作家別:ま行] | 2013.03.22(Fri) PageTop

『コロヨシ!!』三崎亜記

掃除がスポーツに、と一見ユーモア小説のような設定ですが、実際は大真面目な青春小説なんだから驚きです。

コロヨシ!! (角川文庫)コロヨシ!! (角川文庫)
(2011/12/22)
三崎 亜記

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藤代樹は「掃除部」に所属している高校2年生だ。芸術点と技術点を競う競技「掃除」は、国家の統制下に置かれているマイナースポーツだった。幼い頃に祖父の教えで「掃除」を始めた樹は、昨年の州大会新人戦で優勝するほどの腕前。だが、目標を見出せず、どこか冷えた態度で淡淡と「掃除」を続けていた。しかし謎の美少女・偲の登場により、彼に大きな転機が訪れ―。物語の錬金術師・三崎亜記が放つ、前代未聞の奇想青春小説。(「BOOK」データベースより)


舞台は日本のようなそうでないような、架空の世界。
西域、居留地といったキーワードは三崎作品ではお馴染みなんだそうですが、私にとっては初めての三崎ワールド。それに加えて掃除の専門用語なども多く、馴染むまでに結構苦労しました。

競技としての掃除で扱うのは、もちろん本物のゴミではなく、羽子板の羽根のような塵芥。人気がないマイナースポーツということで地味なのかなと思えば、実際はフィギュアスケートのような魅せるスポーツなんです。初っ端から掃除部が実演する場面があるので、掃除がどんなものかはすぐにわかります。
部員集め、大会に向けての練習、挫折、特訓…と部活モノの要素はすべて満たしつつ、"活動制限スポーツ"の背景にある国(政府)についても描いていくので、とにかく盛り沢山です。盛り沢山すぎて読むのがけっこうしんどかったり…。スポーツ小説のふりをしていますが、作者が本当に書きたいのは歪んだ政治機構の方なんじゃないかという気もしてきます。
夏の大会での各自の特性を活かした試合はとても良かったですし、こういう(エキシビジョンや添え舞いも含む)掃除のシーンをもっと見たかったのですけどね。綿密な設定のおかげで掃除以外の部分も面白くはあるのですが、主人公の樹が何かにつけぐるぐると思い悩むので、なかなかテンポ良く読み進めることができないのが残念でした。
掃除部の面々や行きつけのお店の人たちは皆キャラが立っていて面白いです。ただ、一番の変人である顧問の言動は全く笑えず、ヒロイン(だよね)の偲がどうにも好きになれないので、中盤以降はがっくりと読むペースが落ちてしまいました。

6章を読んでいるあたりから、まさか…と嫌な予感はしていたんですが。この1冊では全然終わらないんですね…。続編が出ているのは知っていたけど、ここまで何もかも持ち越すとは。
結局、解決した謎は父親のことくらいで、この国の封印された歴史、政府の思惑、偲のこと、大介のこと、等々かなりモヤッと感が残ります。続編ですっきり解決してくれるかというとそうでもなさそうなので、いまいち読む気力が…。

なんだか否定的なことばかり書いてしまいましたが、この世界観はけっこう好きです。
うまくいえないけど、この本で描かれていない外側にもきちんと世界が存在している感じ(それも地続きで当たり前のように)がすごくします。それは過去の出来事についてさらっと書かれていたり、肩車スポーツ部なんてネタを惜しげもなく使い捨てているところからも感じられます。
そういうのを含めての三崎ワールドなのかな、となんとなく思いました。他の作品もずっと気になっていたので、挑戦してみたいです。

Trackback [0] | Comment [0] | Category [作家別:ま行] | 2012.07.11(Wed) PageTop

『四畳半王国見聞録』森見登美彦

バカバカしいのに難解。四畳半的人生についての哲学書?

四畳半王国見聞録四畳半王国見聞録
(2011/01/28)
森見 登美彦

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四畳半に住む腐れ大学生関連の短編集です。それぞれの話には関連があるようなないような。
ちなみに『四畳半神話大系』の続編ではないです。樋口さんと一緒にちょこっと出てきたりはしますけど。

正直、感想という感想もないんですが…(そろそろ更新しないと、という大人の事情です…)。
面白いか面白くないかでいったら、それなりに面白いけど、本当にそれなりという感じ。
「蝸牛の角」は以前どこかで読んだ気がします。後半するするっと話が収束していく感じが好きです。
ストーリー性があればまだいいんですが、最初と最後のはものすごく疲れました。この作者、ほんとどうかしてると思う(笑)
図書館警察だったり般若心経が書かれたマンドリンだったり、他の作品でお馴染みの組織・アイテムが盛りだくさんなので、森見ファンなら読んで損はないのでは。
一方で、森見作品を読んだことのない人がうっかり最初にこれを手に取ったりなんかしたら、混乱して二度と読まなくなりそう。それくらいハードル高いです。この本。

Trackback [0] | Comment [0] | Category [作家別:ま行] | 2011.08.26(Fri) PageTop


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