[Archive] 2010年11月


2010年11月に読んだ本

今月もあんまり読めませんでした。

『wonder wonderful 上』河上朔
『wonder wonderful 下』河上朔

『あるキング』伊坂幸太郎
『儚い羊たちの祝宴』米澤穂信
『バッカーノ!2001 The Children Of Bottle』成田良悟

今月のベスト1は文句なしに『儚い羊たちの祝宴』ですね。
まだ感想書いてないのは後追いでUPします~。


Trackback [0] | Comment [0] | Category [まとめ] | 2010.11.30(Tue) PageTop

『儚い羊たちの祝宴』米澤穂信

読書クラブ「バベルの会」に集う良家の子女達。その周りで起きた事件の顛末。

儚い羊たちの祝宴儚い羊たちの祝宴
(2008/11)
米澤 穂信

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書き下ろし1篇を含む5篇を収録した短編集です。それぞれの話は独立していますが、いずれも名家にまつわる事件だということ、そして「バベルの会」の名前が出てくるという共通点があります。気になる英語タイトルは”The Babel Club Chronicle”。
ラスト一行の衝撃にこだわったという宣伝文句にも納得でした。

昭和初期と思われる古めかしい時代背景に、立派な屋敷やそこに住む一族、使用人達。暗く湿っぽく、あやしい感じがとてもいいです。言い方を変えれば似たような雰囲気の話ばかりなのですが、展開や動機が独特なので退屈しません。
米澤さんの本には、変わった名前と繊細な心を持つ少年少女達がよく出てくるのですが、あまりにも作り物めいていて「こんな喋り方する子いないよ…」なんて思ってしまうこともありました。でもこの本では、これくらいやりすぎ感のある方が雰囲気があってよかったと思います。

「身内に不幸がありまして」
なんか読んだことある気がするなと思ったら、お嬢様と世話係の女の子という設定が「玉野五十鈴の誉れ」と似ているんですね(主従関係は真逆だけど)。「バベルの会」が共通キーワードだというのも、ここで気がつきました。
とにかくタイトルが素晴らしいです。思わず溜息が出てしまうほど。

「北の館の罪人」
誰が善人で誰が悪人なのか、探り探り読みました。いくつか消化不良な部分があったような気もするのですが、たぶん真相とは関係ないのでよしとします。
最後のセリフ、ぞくぞくしました。

「山荘秘聞」
真相というかトリックは、かなり雑な感じなのですが(笑)やはり最後の一文に尽きますね。壮大なブラックジョーク。
以前に仕えていたという前降家の話も読んでみたくなりました。

「玉野五十鈴の誉れ」
これは以前『Story Seller』で読んでいたのですが、なぜか肝心のオチだけ忘れていて、まんまとドキッとしてしまいました。どこまで深読みするかはご自由にということなのだろうけど、怖いなぁ。
主人公の身に降りかかる出来事だけでも、なかなかの読みごたえがあります。

「儚い羊たちの晩餐」
これまでの4篇に依存関係はなかったのですが、総括にあたるこの話には、他の話に出てきた名前も登場します。
連綿と続く名家ではなく、成り上がりの一家が舞台というのもあって、他とは趣きが違いました。ホラーテイストな一篇です。

Trackback [0] | Comment [0] | Category [作家別:や行] | 2010.11.29(Mon) PageTop

『あるキング』伊坂幸太郎

野球界の王となるべくして生まれてきた、一人の男の物語。

あるキングあるキング
(2009/08/26)
伊坂 幸太郎

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最弱プロ野球チーム「仙醍キングス」の熱狂的なファンである両親に育てられた、王求(おうく)。王求が野球をはじめるのも、すぐに才能が開花するのも、両親からすれば当然のことなのでした。なぜならプロ野球選手として仙醍キングスに入団し、雪辱を果たすのが彼の宿命だから。
王求が生まれた日の出来事から始まり、章を追うごとに1~3才ずつ成長していく、伝記風フィクションといったところです。

両親のあまりの執着ぶりがジワジワと怖くなっていく前半はわりとおもしろく読めたのですが、後半は失速してしまいました。
何かありそうな登場人物が何人も出てくるのに、いまいち活かしきれていない気がするのですよね。「彼は後々大きく関わってくる」云々と書かれてあるのが原因かもしれませんが。伊坂作品の大きな魅力の一つは、ふとしたところに伏線が張られてあって、それらを鮮やかに回収する手腕にある、と思っているので、今回それがなかったのが残念でした。
また、王(あるいは天才)であることの苦悩を描こうとしているように見えて、実際はあまり伝わってこなかったのも残念。それは王求の思考がほとんど明かされないせいなのですが、あくまでも”自伝”ではなく”伝記”だから仕方ないということなのかもしれません。

個人的な反省点としては、事前に『マクベス』を読んでおくべきだった!ということ。シェイクスピアは好きなんですが、悲劇は好きでないので『マクベス』は未読なのです…。
王求=マクベス、両親=マクベス夫人、というくらいしかわからなくて、読んでいればもっと楽しめたんだろうなぁと。

それにしても、伊坂さんの本を読んだのは(アンソロジーを除けば)かなり久しぶりです。
好きな作家を聞かれれば1番か2番には名前を挙げていたくらいだったのですが、『モダンタイムス』がどうもダメで、さらには作風が変わったらしいとの噂も聞こえてきて、最近はすっかり足が遠のいてしまっていたのでした。ただファン根性で新刊が出たら買ってはいたので、完全に積読状態(^^;
これはいかんと一念発起して、やっと読み始めました。本当は『オー!ファーザー』か『バイバイ、ブラックバード』を読みたかったのですが、とりあえず刊行順に。次は孫悟空か…なるべく早く読もう。

Trackback [0] | Comment [0] | Category [作家別:あ行] | 2010.11.25(Thu) PageTop

『wonder wonderful』河上朔

思いがけず飛び込んだ世界で、様々な人たちと出会い、繋がっていく。

wonder wonderful 上wonder wonderful 上
(2008/09/13)
河上 朔

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wonder wonderful 下wonder wonderful 下
(2008/09/13)
河上 朔

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何度も異世界にトリップし、若き国王の恋人となった妹・ひなた。妹の話に興味を持ちながらも、異世界なんて他人事と思っていた姉・こかげ。ごく普通に仲の良い姉妹の来訪は、王室に大きな波紋を呼ぶことになるのでした。

元はオンライン小説です。私が読み始めた時はまだ連載中で、後でまとめて読もうと思ってそのまま忘れてしまっていたら、いつの間にか書籍化されていました。かなり人気のある作品だったみたいです。
主人公の一人称は読んでて気恥ずかしいものがあるし、文章だったり、設定の甘さだったり、つっこみ始めるといろいろあるのですが、それを差し引いても好きな作品です。

まず、若くて行動力のある妹ではなく、しっかり者で現実主義な姉の方を主人公としたところがおもしろいです。
こういうファンタジーで見知らぬ土地で無一文だった場合、親切な人が助けてくれるのは定石ですが、この話の主人公こかげは、それを当然とは考えません。働かざるもの食うべからずと言わんばかりに、どうやって自活していくかを考える人なんです。仕事の進め方を見ていても、社会人としての考え方が出来上がっている自立した女性だということが伝わってきます。
こかげの28という年齢設定も絶妙でした。ひなたのように後先考えないで突っ走ることはできないけれど、達観してしまうこともできない。特に同い年のシルヴィ嬢との友情は、この年だからこそ深まったような気もします。
最初から最後までキャラがブレなかったのはさすがです。が、もうちょっと自分に甘くってもいいんじゃない?と言いたくなることも。特に最後が…大人としては正しい見解なんでしょうけど、うぅ~せつない。

こかげ以外の登場人物もかなり魅力的です。
私のお気に入りはもちろん隊長(下巻表紙の二の腕が素敵すぎる…!)。デキる男はやっぱりかっこいいです。この人も大人だなぁと思うけど、あらためて読み返してみるとけっこうわかりやすかったり。
男性キャラは、隊長のように頼りがいのある男から、ラシュ・シーリー・ヨーサムと3種3様の弟タイプ、イルサムさんやノインさんといった渋好みキャラに至るまで、あらゆるタイプが揃っているので、誰かしらお気に入りが見つかると思います(笑)
サイトを見ると、ヨーサムが隊長に次いで人気みたいですねぇ。だから必要以上に見せ場が多いのかしら??
挿絵だとひなたと王家の二人が地味に見えちゃうのは残念ですね…黒髪だからか?キラキラしたオーラがないよ(^^;

上下巻なうえに二段組とかなりの分量なのですが、読みやすいのでそれほど長さを感じませんでした。
とにかく心理描写がきめ細かいです。ある言動を取るうえで、どういう思考にもとづいてそうするのか。話が進行するにつれての感情の変化とその理由。などなど、かなり掘り下げて書かれてあるのが印象的でした。

今でもオンライン版は全編そのまま公開されているようです。が、誤字脱字や誤用がちょこちょこあって読みにくかった記憶があるので、読むなら書籍版がおすすめです(分量もハンパないですし…)。
ただ、サイトにしか載っていない小話もあるので、要チェックです!

therehere http://here.x0.com/there/
(textというところで読めます)

Trackback [0] | Comment [0] | Category [作家別:か行] | 2010.11.15(Mon) PageTop

(株)魔法製作所シリーズ 最新刊発売決定!

続編が出るのか心配されていた(株)魔法製作所シリーズの第五弾発売が決定したようです。
タイトルは『スーパーヒーローの秘密』。楽しみです!

http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488503062

気になるのは日本版オリジナルの書き下ろしとなっていること。
4作目の訳者あとがきにあったように、本国では続編を書かせてもらえなかったのでしょうか!?映画化も決まっているというのに、不思議な感じです。
日本では、それほど有名ではないにせよ、人気のあるシリーズだと思うのですが…。このブログに来てくださる方の検索キーワードをたまに見てみると、「シャンナ・スウェンドソン」というのがけっこう多いのです。
原書が出ていても翻訳版がなかなか出なくて続きを読めない、なんてことはよくある話ですが、逆なんてあるんですね。

(株)魔法製作所シリーズはこれまで4冊出ています。それぞれ感想を書いていますので、リンク載せておきます。

『ニューヨークの魔法使い』
『赤い靴の誘惑』
『おせっかいなゴッドマザー』
『コブの怪しい魔法使い』


Trackback [0] | Comment [2] | Category [ニュース] | 2010.11.13(Sat) PageTop


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