[Archive] 2012年02月


『ウィンター・ホリデー』坂木司

待望の『ワーキング・ホリデー』続編!前作同様、笑って泣いて心があったかくなる1冊でした。

ウィンター・ホリデーウィンター・ホリデー
(2012/01)
坂木 司

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元ヤン元ホストで今は宅配便の配達員をやっている大和と、夏に出会ったばかりの息子・進の冬休み。
付き合い始めのカップルかとつっこみたくなるほどの(実際つっこんでるけど)初々しい二人です。夏の間に絆を深めたつもりでも、普段は別々に暮らす親子には、なにかと不安や焦りがつきまといます。夏休みという期間限定の色が濃かった前作と比べ、より自然な繋がりに移行しつつあるのが今作の見所。
仕事面では繁忙期のようで、ハチさん便での仕事も板についてきたとはいえ、冬を越すのは初めて。クリスマス、年越し、バレンタインとイベント絡みのトラブルが続出で、お仕事小説としても楽しめました。

ハチさん便やホスト時代の仲間たちは相変わらず濃くて楽しいです。そして大和の心の中のつっこみがおもしろい。
新入りの大東は最初こそイライラしましたが、最後の方ではなかなか気が利くようになってきました。(でも年末年始だけのバイトだった筈なんだけど??)
もう一人今回から登場して盛り上げてくれたのが、進の幼なじみコウタ。なんだろう…ものすごく残念な子なんだけど(笑)あいくるしいな~ってグリグリしたくなる感じ。
そして前回ほとんど出番のなかった由希子は、人となりがだいぶ見えてきました。大和もそうだけど、よその子を呼び捨てしたりがつんと説教する大人ってなんか好きです。あと子供たちが「大和さん」て呼んでるのもちょっとツボなんですよね~。

編集のチェックミスなのか、大東との出会いシーンで北海道を沖縄と書かれていたのには苦笑い。増刷分からは修正されるでしょうか。他にもいくつか気になる点があったんですが(年末の日数とか、位置関係とか)まぁいいか(^^;
最後、由希子とコウタがそのまま消えちゃったのもあれ?と思ったのですが、これはそういうものだったみたいですね。なんか違和感がありましたが。

だいぶ距離が近づいたとはいえ、まだまだ出来たての親子。再会した由希子とのその後も気になるし、続編また書いてほしいです。このまますんなりハッピーエンドとはいかなさそうですしね。進に運命預けるのもいいけど、そこに自分の意思があるってことはもう少し主張してほしかったな。
ただただ楽しいだけでなく、時々ピッと背筋を伸ばしたくなるジャスミンの一言があったり、それぞれの抱える苦い現実が垣間見えたり、というのもこのシリーズの魅力。
ということで、続編に期待!です。

Trackback [1] | Comment [2] | Category [作家別:さ行] | 2012.02.24(Fri) PageTop


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