[Archive] 2012年03月


『ソウルケイジ』誉田哲也

ドラマでは今まさに最終回エピソードとして取り上げられている、姫川玲子シリーズ第二弾。

ソウルケイジ (光文社文庫)ソウルケイジ (光文社文庫)
(2009/10/08)
誉田 哲也

商品詳細を見る

多摩川土手に放置された車両から、血塗れの左手首が発見された!近くの工務店のガレージが血の海になっており、手首は工務店の主人のものと判明。死体なき殺人事件として捜査が開始された。遺体はどこに?なぜ手首だけが残されていたのか?姫川玲子ら捜査一課の刑事たちが捜査を進める中、驚くべき事実が次々と浮かび上がる―。シリーズ第二弾。(「BOOK」データベースより)


事件は前作『ストロベリーナイト』よりも凝った構成になっていて、面白かったです。
今回は玲子と同じ十係の主任でありながら犬猿の仲である日下がメイン。緻密かつ客観的な捜査をモットーとしている日下と、勘と直感で突っ走る玲子が対立する構図です。ただ実際は日下は玲子のことを買っているし、玲子が一方的に毛嫌いしているだけだったりするので、玲子の幼稚さが浮き彫りに。かつての暴行犯に似ているという、どうしようもない理由で嫌われている日下は可哀想すぎます…。
いちいち反抗的な態度を取る玲子に対し、日下は大人の対応。やるべき仕事をきっちりやっていて格好いいです。さらに玲子や菊田のことを心配して気に掛けたり、戸部の件を玲子に先をこされたときのちょっと間抜けな反応など、違う一面が見れたのもよかった。

玲子と菊田の関係はあいかわらず理解不能です。お互いに想い合ってはいるけどはっきり口にしてはいない状況と、二人の言動がどうも噛み合わないんですよね。私情を職場に持ち込みすぎているのもどうかと思うし。
姫川班の新メンバー・葉山がここで初登場。葉山パートは事件解決の大きな要となるのですが、葉山の過去のトラウマ話を入れた理由がよくわかりません。なんだか違和感を感じました。前作でも思ったのですが、場面によってコロコロと視点が変わりすぎですね。主観を入れるのは玲子と犯人ともう一人くらいに留めておいた方がいい気がします。

ドラマとの比較を少し。
わりとややこしい内容だからか3週にわたって描かれています。最終話がまだなのではっきりと結論は出せませんが、この話に関しては原作の方が良いかなぁと。(やっぱりどちらを先に読む・観るかによるのかしら…?)
ただし、原作では『ストロベリーナイト』の中にあった玲子と母親とのエピソードをドラマでここに持ってきたのは大正解。なんといっても親から子への愛情というのがテーマですからね。『ソウルケイジ』で語られる父親とのエピソードも良かったので是非入れて欲しいです。

ここからはネタバレ。

» read more...
Trackback [0] | Comment [0] | Category [作家別:は行] | 2012.03.17(Sat) PageTop

『ストロベリーナイト』誉田哲也

姫川玲子シリーズ、第一弾。
ドラマを先に観ているので、どうしてもそちらとの比較が多くなってしまうのはご了承ください。

ストロベリーナイト (光文社文庫)ストロベリーナイト (光文社文庫)
(2008/09/09)
誉田 哲也

商品詳細を見る

溜め池近くの植え込みから、ビニールシートに包まれた男の惨殺死体が発見された。警視庁捜査一課の警部補・姫川玲子は、これが単独の殺人事件で終わらないことに気づく。捜査で浮上した謎の言葉「ストロベリーナイト」が意味するものは?クセ者揃いの刑事たちとともに悪戦苦闘の末、辿り着いたのは、あまりにも衝撃的な事実だった。(「BOOK」データベースより)


今やっている連続ドラマではなく、その前のスペシャルドラマの原作ですね。
何度か出てくるグロテスクな描写は、かなりキツイです。普段は一字一句までしっかり読む方なんですが、犯人視点での詳細な描写は耐え切れず飛ばしてしまいました。

事件を捜査する過程で立ちふさがる敵は犯人だけではなく、共同捜査する他の刑事との攻防も見所のひとつ。そういう意味では警察小説としての面白さはよく出ていると思います。
ただ、主人公である玲子のキャラクターが、かなり微妙。捜査一課の女性警部補であるという矜持は、玲子が辛い過去を乗り越えるために必要だったもの。それはよくわかります。が、ちょっと驕りすぎです。勘が鋭く、自分がこれと睨んだものに突き進む姿勢は一見格好いいのですが、裏付け捜査がおざなりだったり、生理的に受け付けないという理由で先輩刑事に無礼な態度で接したり、社会人としてどうかと思う言動が多いので、それほど優秀な刑事とは思えないのです。あえて欠点の多い人間として描いているのかもしれませんが…。
それ以上に残念すぎたのが菊田。あまりの活躍しなさっぷりに愕然としました(笑)ライバルの井岡はなんだかんだで実は切れ者?というような片鱗を見せていたにかかわらず、菊田に関してはミスこそないものの活躍も皆無。恋愛下手でも仕事は出来るってところを見せて欲しかったなぁ。
ということで、このどうしようもない菊田を姫川班のエース&頼りになる先輩キャラに仕上げたドラマスタッフはGJ。もし原作のままだったら、連ドラまで観ようと思わなかったかも。西島秀俊さん演じるドラマの菊田、かなり素敵なんですもん。
ちなみに玲子は昔の松嶋菜々子さんがモデルだそうですが、竹内結子ちゃんで正解だと思います。(ビジュアルだけで松◯奈緒さんとかにならなくてよかった…)
ガンテツはドラマ版よりもはるかに人間味があり、かなりいい人に描かれていてビックリ。憎めないキャラなのはわかったけど、ガンテツパートは無駄に長かったです。姫川班の他の人たちなんか空気のような扱いだったのに(汗)
ガンテツに限らず、本筋と関係ないようなエピソードやセリフが多かった印象です。それが人物像を深めるというよりは、俗っぽさだけが際立っている気がして、好きになれませんでした。いずれにせよ、ストーリーやキャラクターの魅せ方としてはドラマの方の圧勝かなと思っています。

誉田哲也さんの本は何年か前に『武士道シックスティーン』を読んで以来。こちらも実写化されたりと人気ですよね。それなりに面白かった記憶はあるのですが、続編が出ても何故か読む気にはならず…この姫川シリーズもいまいち好きになりきれないというか。誉田さんの文章とはどうも相性がよくないみたいです。。
とはいえキャラクターに愛着も湧いてはいるので、もう少し追いかけてみようと思います。

Trackback [0] | Comment [0] | Category [作家別:は行] | 2012.03.17(Sat) PageTop


 プロフィール

[Author:croco]
一言でもコメントいただけると嬉しいです!
記事に関係ないコメントはこちらにつけて頂いても。
…たまにつぶやいてます。

 最近の記事
 カテゴリ
 タグ
 月別
 ブログ内検索
 最近のコメント

日付別/記事別の切り替えopenclose

 最近のトラックバック
 リンク
 ブロとも申請フォーム
 crocoの本棚
 バナーいろいろ
 QRコード
QR
 RSSリンク
 Do you have the time?
http://www.pecope.com