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『WILL』本多孝好

葬儀屋の仕事は、死者を眠らせること。

WILLWILL
(2009/10/05)
本多 孝好

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『MOMENT』の続編、7年後の話です。森野の話ということで、タイトルのwillは遺言のことかな、と思ったのですが、少し違いました。もちろんそういう意味も含めているのでしょうけれども。ダブルミーニング、トリプルミーニングないいタイトルです。
前作同様、ミステリ要素のある連作短編となっていますが、最初の話の後日譚をリプライズとして最後に再登場させ、さらに一転させるなど、より凝った作りになっていて楽しめました。

森野は前作に出てきた時は、自分のことも周りのこともよくわかっている大人な印象を受けたのですが、実際のところはそう割り切れてもいなかったよう。葬儀店の社長としていくつもの死に向き合いながらも、11年前の両親の死をいまだ消化しきれておらず、今の自分に折り合いをつけられないでいるのでした。
そんな彼女の元に、様々なトラブルが持ち込まれます。葬儀が終わった後であっても、仏様のためなら労を惜しまない森野。その際に口にするのが先述のセリフなのです。かっこいいですよね。

相変わらずぶっきらぼうで素直じゃない森野がかわいいです。一方の神田君は、のんびりしててちょっと間抜けなところは変わってないけど、格段にいい男になってます。エピローグの二人が微笑ましい。ベタだけどよかった~。
脇役では、古株社員の竹井さんや新入社員の桑田がいい味をだしていました。葬儀屋の話なので終始明るくというわけにはいきませんが、時々くすっと笑えるやり取りがあったりして、このユーモア感覚好きですね。悪ガキをやっつけるエピソードはちょっとはっちゃけすぎでしたけど(^^;

『MOMENT』は死にゆく人の願いを叶える話、『WILL』は死んでしまった人の思いを受け止める話。これで終わってもいいような気もするけど、できればもう1作書いて三部作にしてほしいところです。
今作で森野の内面はよくわかったけれど、神田に関してはまだまだ謎が多いというか。アメリカに行った理由も、わかったようなわからないような感じですし、神田視点だった『MOMENT』でさえ彼自身についてはほとんど描かれていなかったように思うので。
今の神田と森野に辿り着くまでの話を、神田視点で是非読んでみたいです。

余談ですが、本多さんて金城一紀さんとは大学の同窓生なんですね。作家になったきっかけも金城さんだとか。
作家さんたちの交遊関係を知ってにやにやしてしまうオタクな私です(笑)

※8/27追記
本の感想を検索していたら、こちらのページを発見しました。
『MOMENT』文庫版刊行時の特設ページのようですが、ここで『もう一つの「MOMENT」』という書き下ろし小説が読めます。『WILL』で出てきたあのシーンはここで既に書かれていたのですね。

Trackback [1] | Comment [0] | Category [作家別:は行] | 2010.08.26(Thu) PageTop

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死者の想い

小説「WILL」を読みました。 著者は 本多 孝好 あの「MOMENT」の姉妹編 というか続編 今回は葬式屋 森野が主人公 連作短編の構成で 全体の雰囲気も 「MOMENT」と似ていますね 今回は葬式屋ということから その仕事から、死者に関わる不思議な事件 謎を解くミステリは...

2011.12.24(Sat) 00:52 | 笑う学生の生活 | ▲PageTop



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