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『折れた竜骨』米澤穂信

天然の要塞ともいえる小島で起きた殺人事件。暗殺騎士に操られているのは一体誰なのか!?

折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)
(2010/11/27)
米澤 穂信

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12世紀末の欧州を舞台に展開するフーダニット(犯人探し)。特設ページに相関図、地図があります。
領主の娘アミーナは、父親を暗殺した犯人を探すため、別の理由から犯人を追っている騎士ファルクに協力を仰ぎます。アミーナ、ファルク、そしてファルクの弟子ニコラの3人で、少しずつ真相を明らかにしていきます。

おもしろかった~!本格推理小説を読み慣れていない私でも大丈夫でした。時代設定や架空の島を舞台にしていることもあって、「こんな建物、建築基準法でアウトだろ…」とか余計なことを考えずに済みます(笑)
魔術や呪いなどファンタジックな要素もあるのですが、推理はあくまでも論理的に行われます。人智を超えた力が出てきても可能性が無限に広がらないよう制約条件を提示するなど、綿密にプロットが練られているのはさすがです。(間違ってもこんなことにはならないのでご安心を…笑)

推理小説としてはもちろん、設定やキャラクタが魅力的なので、ファンタジー小説としても楽しめるところが良かったです。せつなく、ほろ苦い、けれども希望のあるラストは米澤さんの持ち味ですね。
『儚い羊たちの祝宴』といい、その才能にあらためて感服しました。こういう作り物めいた世界の方が、より本領を発揮するような気がします。


以下は、完全ネタバレ(犯人の名前も書いてます)のため、未読の方はご注意ください。


犯人はわりと予想通りでした。何度かアミーナも怪しいなとは思ったのですけどね。
最初に容疑者を8人に絞ったとき、ファルクとニコラも確実に容疑者なのに、説明もなく除外したことに違和感があったんです。後から自分たちが容疑から外れる理由を説明してはいたけど、徹底的な裏付け調査をするファルクにしては説得力があまりにも弱い。それで4章最後のニコラへのセリフで確信しました。
とはいえ、他の人達が容疑から外れた理由はわからなかったので、解決編は面白かったです。最後の最後にファルクとニコラが交わす会話でまた分からなくなったりしたのですが、終章を読んで納得。

ニコラ好きです。かわいいなぁ~と思っていたら、最後に男っぷりをあげましたね!
ただ残念だったのは、タイトルにもなっている合言葉。そんなに印象的な場面でしたっけ??なんでこのタイトルなんだろうと読んでいる間も思っていたんです。たしかに響きはかっこいいのですが…。
二人だけで行動することも多かったのだし、もっと心に残るエピソードを作っておいて、それを合言葉にしてほしかったなぁと思いました。

それにしてもアダムの駄目っぷりは一体…ただのお騒がせ要員でしたね。もし殺されたのがアダムなら、絶対アミーナが犯人でしょう(笑)最初、兄を呼び捨てしているのに驚きましたが、アダムに対して常に上から目線だったのが、お仕着せのお嬢様ではないアミーナをよく表していました。

最後に、犯人特定の推理には反論の余地はないのですが、それ以外で消化しきれていない疑問がいくつか。

ソロン諸島を狙った暗殺騎士はエドリックであることはわかっている、という前提で話が進んでいくのですが、他にも暗殺騎士がいる中で何故エドリックだとわかったのか?
暗殺騎士はエドウィー殺害の際、どうやって小ソロンに出入りしたのか?
そもそも暗殺騎士や呪われたデーン人を使ってまでローレントを殺そうとしたのは誰か?(作中で言及はされているものの、明確な解答はなされていないはず)

単に私が読み損ねているだけかもしれないので(汗)もし答えがわかる方がいたら、こっそり教えていただけると嬉しいです。

Trackback [1] | Comment [2] | Category [作家別:や行] | 2011.05.12(Thu) PageTop

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「折れた竜骨」米澤穂信 (ミステリ・フロンティア)

ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。その領主を父に持つアミーナはある日、放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。ファルクはアミーナの父に、御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士に命を狙われている、と告げた……。 自然の要塞であったはずの島で暗殺騎士の魔術に斃れた父、「走狗(ミニオン)」候補の八人の容疑者、いずれ劣らぬ...

2013.11.08(Fri) 16:05 | 粋な提案 | ▲PageTop



Comment

とっても面白かったです。
この作家の作品をかたっぱしから読んでましたが、
3回も繰り返して読んだのは、これだけです。
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。

2013.11.08(Fri) 16:23 | 藍色 [URL] | 編集 | ▲PageTop

★藍色さん

私も米澤作品の中ではこれが一番好きかもしれません。
先日サインを頂く機会があったのですが、どの本にしようか迷ったあげく、これにしました。
TBありがとうございました!

2013.11.09(Sat) 22:50 | croco [URL] | 編集 | ▲PageTop

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